【神戸】和食でよく聞く懐石料理とは？出てくる順番もご紹介！個室でゆっくり味わうなら神戸和食　あんどへ

懐石料理とは

懐石料理とはもともと、お茶会で出される「茶懐石」として誕生したものです。茶道のお茶会では、お茶会の主催者である亭主が、まずは懐石でお腹を満たしてもらい、そのあとにお茶で来客をもてなしていました。

お茶の前に食べる懐石は、「一汁三菜」という和食の基本で構成されていましたが、茶道とは別に発展していく中で品数が増え、現在のような豪華な懐石料理に進化を遂げたのです。

懐石料理の由来

懐石料理の「懐石」は、空腹感を和らげるための「温石」に由来しています。禅宗の修行僧は1日に1度しか食事がとれないため、空腹で体温が下がったときには、温めた石で暖をとりながら、空腹を和らげていました。温石のように空腹を和らげる程度の、軽い食事という意味合いから、お茶を振舞う前の簡単な料理のことを、懐石と呼ぶようになりました。

また、懐石は本来「茶懐石」を意味することから、温泉宿やなどで提供する場合は「懐石料理」と呼んで区別しています。小腹を満たす茶懐石と、お酒を楽しむ懐石料理では、目的が大きく異なるため、メニューだけではなく、料理が提供される順番などにも大きな違いがあります。

懐石料理の歴史

お茶会で懐石を提供して来客をもてなすことを始めたのは、千利休だといわれています。そのため、「詫び寂び」を懐石で表現するために、旬の食材を用いたり、素材の味を活かしたりするといったテーマを設け、工夫を凝らした料理を提供しています。

先付

お酒が振舞われたあとに、懐石料理としてはじめて提供されるメニューの「先付（さきづけ）」は、さっぱりとした味が特徴です。

煮物椀

蓋つきの椀に入った「煮物椀（にものわん）」は、旬の野菜や海藻、魚や鶏肉などのすまし汁です。左手で椀をおさえて右手で蓋を開けたら、まずは汁を一口味わってから具を食べ、汁を全部飲み切ります。

向付

「向付（むこうづけ）」はお造りのことで、器の奥にいくほど濃厚な味わいになるように配置されているため、手前から食べ始めます。向付はただの刺身ではなく、昆布締めにしたり隠し包丁を入れたりと、刺身をより美味しく食べられるように、工夫が凝らされています。

焼き物

焼き物は懐石料理のメインの役割を果たすメニューで、主に旬の白身魚が提供されます。店によっては、アワビや伊勢海老、肉料理などが提供されることもあります。

箸休め

小ぶりなお椀で提供されるのが「箸洗い（はしあらい）」とも呼ばれる「箸休め（はしやすめ）」です。箸休めは次の料理の準備のために提供され、汁で口に残った味を洗い流す意味合いがあります。煮物椀と同じく、汁は残さず飲み切ります。

八寸

お酒のおつまみの「八寸（はっすん）」は、海や山の珍味、魚介類や野菜などを盛りつけたものです。

炊き合わせ

蓋つきの椀で提供されるのが、飾り切りの手間を加えた、美しい野菜の炊き合わせです。蓋を開けるタイミングは、目上の人が開けたあとで、食べ終えたら蓋を閉じます。

ごはんと香の物

炊きたてのごはんと赤だしなどの汁物、漬物は締めの合図として提供されます。

和菓子と抹茶

和菓子と抹茶が提供されたら、和菓子を食べてから抹茶を口にしましょう。和菓子は菓子切りを使って、一口サイズに口に運びます。また、抹茶は両手で器を持ち上げて少しずつ飲んだら、最後だけ一気に飲み干します。

他にも、水菓子として提供される、シャーベットやアイスクリーム、旬の果物には、口の中をさっぱりとさせる意味があります。